2025/08/13 22:02
HIPHOP史解説⑤で紹介した
"The Message"をきっかけに
『ラップでリアルなこと歌ってもいいんだ!』
って皆が気づいた後
今度はもっととんでもないことが起きました
"社会の問題点をレポートする"から
"俺の危険な体験談を全部話す" へ
まるで
ニュース番組から
体験談バラエティに
変わったような感じ
それをやったのが
スクーリー・D

彼は1985年
"P.S.K. What Does It Mean?"で
『ちょっと俺の話聞いてくれる?』
と世界に向かって語りかけました
そして彼の話は
現在のギャングスタラップ
全ての始まりになったのです
---
〜P.S.K. What Does It Mean?〜
当時のラップは
歌って踊れるパーティーチューンが中心
そんな中
『ちょっとシリアスめな曲やってみてよ!』
との要望で生まれたのが
社会問題を第三者的に描いた
フューリアスファイブの
The Message
この曲はいわば"克明な現地レポート"
という感じだったのに対し
"P.S.K. What Does It Mean?"は
ストリートライフ、暴力、ドラッグ
性的な自慢を焦点とした
リアルな体験談を
実際のギャングが歌っていたのです
ラップ=パーティーという
認識だった当時
この曲の登場は衝撃的だったことでしょう
ニューヨーク以外のラッパーは偽物と
言われている時代に
フィラデルフィアから
この曲が誕生している点も革新的ですね
ちなみに
P.S.K. What Does It Mean?
=PSKってどんな意味だ?
PSKとはスクーリーDが実際に所属していた
Park Side Killersという
ギャング集団の略称です📚

聞きました?
ドーーーーン!シャンシャンシャン!!
ぶっとい音!!
これまで紹介したような楽曲とは
重厚感のレベルが違いますね
これについては
面白いエピソードがありまして
元ギャングが
『なんか流行ってるみたいだから
ちょっとレコードでも作るべ!』
って感じでスタジオを借りたはいいものの
レコーディングの仕方が分からない
しかも普段クラシック音楽を
録音するような
ガチのスタジオを借りてしまったのです笑
するとそこには
部屋を占拠するほどの
巨大な鉄の板がありました

それは
エフェクトをかける機械ではなく
本物のリバーブ板です
悪ガキがそんなのを
見つけたらどうなるか
とりあえず
そのよく分からない鉄の板を使って
ガンガン音を鳴らしまくる笑
『やべえw なんかすげー音でるwww』
\ドーーーーン!シャンシャンシャン!!!💥/
しかも彼らは
アルコールと薬物で
ぶっ飛んでいるので
自分たちがどんな曲を作っているのか
いまいち分かっていない
スパスパ吸って
もっとリバーブをかけろ!と
一晩中葉っぱをやって完成した曲
翌日目が覚めて
聞いてみると
スクーリー・D本人ですら
『うわっ!!何だこれ!?』
と驚くほどの強烈なビート
クルーに聴かせると
みんなバカウケ!😂
そうやってできた曲が
東海岸から西海岸へ
そして西海岸から
全米を席巻していく
危険なラップジャンル
"ギャングスタラップ"の始まりになったのです
『あれ以来何年か経ってああいうサウンドを
やろうと試みたけどできなかったよ...』
とスクーリー・Dは語っています
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このブログを最後まで読んでくれたキミは
もう"知ってる人"の仲間入り!
スクーリー・Dの出身地
"フィラデルフィア"の刺繍が入った
ベースボールシャツを
当ショップにて販売中!
ただの古着じゃない
HIPHOPカルチャーが誕生した
場所の名前が入った
言わば"歴史の証人"です
HIPHOPの歴史を知った今のキミなら
このシャツを着る意味も
変わってくるかもしれませんね😌